鹿児島県臨床外科学会 若手奨励賞を授与して(鹿児島県立大島病院 坂本正州先生)
第65回鹿児島臨床外科学会 若手奨励賞をいただきありがとうございます。
「当院における破傷風症例の検討」をテーマに発表させていただきました。
破傷風は、非常にまれな病気である印象がありますが、小さな外傷でも発症する可能性があり、発症すると重篤な経過をたどることが多い疾患です。今回経験した症例でも、約60日間の人工呼吸器管理と、多くの重篤な合併症に対する治療が必要となりました。
1968年から始まった、三種混合ワクチンの定期接種によって、本邦の破傷風患者数、それによる死亡者数も減少傾向でしたが、近年増加傾向にあります。定期接種を受けられていない世代の方々の抗破傷風毒素抗体価は破傷風発症を防御するには不十分です。そのため、今まで提唱されてきた外傷初期診療における破傷風予防法も見直されつつあります。
現在、私は鹿児島県立大島病院で初期研修を過ごさせていただいています。今回経験した症例をはじめ、ご指導いただく先生方や、患者様に多くのことを学ばせていただいています。今後も多くのことに探究心を持ちながら、残りの初期研修期間を過ごしていきたいと思っています。
このたびは、本当にありがとうございました。
(H24年県立大島病院災害訓練)